TBSドラマ「半沢直樹」
みなさんはご覧になられたでしょうか?
話題の移り変わりが早い情報社会。世間が騒げば騒ぐほど見る気がなくなってしまう性格であり、テレビがあまり好きではない管理人。ようやくその話題も落ち着き、やっとのこと先ほど見終えたところです。
で、感想ですが。話題になるだけあって、とてもすばらしいドラマでした。簡単に説明しますと「中学生時代、父親の自殺とそれに関する出来事がきっかけで銀行にアツイ想いをそそげる半沢直樹という銀行員の話」です。
ドラマ「半沢直樹」に学ぶ接客の基本とは?
このひとりの銀行員のドラマから、接客に生かせる点がたくさんあることを学びました。
何度か書かせていただいているのですが「ジーンズが売れない理由」を不景気や流行のせいにしている服屋がたいへん多いように感じています。
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いまはただのジーンズ好きではありますが、ジーンズの魅力を多くの方に伝えたいのです。
そのためには、販売員の接客スキルの向上はかかせません。というか、それだけでも間違いなく売上はあがります。なぜなら、人とのコミュニケーションが得意ではなく、人見知りで、洋服にも接客にも興味がなかったぼくが、店の店員のあたたかい接客によって購入した本人だからです。
人生で初めて自分のお金で、自分のためのジーンズを買いに行ったあの日、あの店員さんがいなかったらぼくは20,000円を超えるジーパンを買っていなかったでしょうし、ジーパンを好きになっていなかったでしょう。
- 客を客という目線でしか見ない
- その人はどういう人なのか?
- なにを求めてご来店されたのか?
ひとを見ない接客、マニュアル通りで機械じみた接客にはなんの意味もありません。そういったジーパン屋や洋服店のせいで、ジーンズそのものの魅力が半減し、服やだけでなく、メーカーもなくなっていくのが悲しいのです。
アパレル業界だけでなく、もっと広い意味では、
- コンビニやスーパーなど小売
- 飲食店
- 宿泊
- 医療
- 教育
- 介護・福祉
人と直接やりとりすることのある接客業はもちろん、「お客さまと直接やりとりをする機会のある仕事をしているひと人」はみんな、きっと役に立つドラマだと感じました。もちろん銀行などの金融業もそうでしょう。
接客とは心をもつ人と接すること
ドラマを通して半沢直樹という男は一貫して「人を見る」「人と関わる」ことを徹底しています。
「銀行はただの金貸し」だとも言っていますが、その言葉の裏側では「日本という国、またそれを支える真剣に生きている国民―人」に対して貢献したいという想いを大切にしている事がわかります。
それに付随して、会社員(組織人)としても、父親・夫としても、人間としても弱さを認めた上での「強さ」を持っていますし、その人間性をもって友人や知人、人生を通して構築されていく人とのつながりを本当に大切にしていることにも共感しました。
ドラマ放送中は、「倍返しだ!」「10倍返しだ!」と不正をはたらく上司や組織を打ちのめす半沢直樹の姿が話題の中心だったように思います。ですが、ぼくとしては、「成功哲学」や「人間の幸福論」などにもつながる『人生における必要不可欠なもの』がところせましとわかりやすくと描かれている人間ドラマだったように思いました。
- 人とのつながりとはどういうものか?
- 家族とはなにか?
- 組織・集団はどうあるべきか?
- はたらく意味とは?
- 「ただの金貸し」である銀行の必要性とは?
- 人生の意味とは?
- お金の価値ある使い方とは?
もちろん、実際の銀行業務を大きく脚色している点もあることでしょう。ですが、このドラマから「仕事」や「接客」の意味を十分に理解できるはずです。
半沢直樹は銀行員ではありますが、プロ以上の接客術があると感じました。
半沢直樹の父親が残した言葉「ロボットみたいな仕事だけはしたらアカン」という言葉に半沢直樹の行動原理があります。たくさんのお客さまを魅了し、ファンにするヒントが、この言葉にはあります。
すごく基本的で簡単なことなのに、それができていない店が多いということでもあります。
半沢直樹は、融資した会社を立て直すため融資先の会議に参加したり、顧客の利益のためであれば組織や上司にも立ち向かったり。
目的のために時間を忘れてそれに取り組んだりするその姿勢、全身全霊で業務を遂行する半沢直樹の姿から、販売員としても本当にたくさんのことが学べるはずです。
- 接客の仕方がわからない…。
- ジーンズが売れない…。
- 客の前だと緊張する…。
- 接客マニュアルや書籍を読んでもまったく効果がない…。
もしも、あなたがこんなことをおもっている販売員ならば、ドラマ「半沢直樹」から学べることがぜったいにあるはずです。
それはなにも接客業だけで役立つのことではありません。どんな仕事にも通じることです。
どんな仕事でも「お客さま」がいるから成りたっているのです。
「仕事でお金を稼ぐこと」「儲けること」はけっして悪いことではありません。なぜなら「たくさんの人に奉仕し、感動や驚き、楽しさ、安心感を与えた結果であり、誰かの役に立つことができた証」としてお金は手に入るからです。
お金が稼げないということは、お客さまにも社会にも誰にもひとつの価値も提供できていないということです。
仕事とはそういうものではないでしょうか。
さいごに
半沢直樹は一話目から泣いてしまいました。
後半の7話あたりから最終10話あたりはもう毎回ボロボロです。
半沢直樹に登場する「近藤」という人。半沢直樹と同期で銀行に入社した人物です。渡真利という同期も含めたこの三人の友情というか「つながり」にはアツイ気持ちがこみ上げてきてしまい、近藤さんにはほんとうにすごく感情移入して観てしまいました。
銀行に入ってから仕事きっかけで「統合失調症」をわずらったのですが、実はぼくも統合失調症と診断された過去があります。
あの頃のぼくにも半沢直樹のような仕事仲間や相談できる人、なにより自分自身にそれを回避できる考え方や行動力がもしあれば、いまごろはまだジーパン屋で働いていたかもしれないなぁ、と。
統合失調症は気持ちや考え方次第でしっかりと乗り越えられることをあらためて確信し、そして強い勇気をもらいました。
ドラマ半沢直樹にはもちろんですが、近藤を演じた俳優「滝藤賢一」さんにもすごく感謝したい気持ちになりました。
ぜひ、このドラマを接客に役立ててみてください。
では!